この命のすべてで、君を想いたい

私はまた一人になった

雫は急いで教室に戻り、帰り支度をする。



もうみんなには会いたくなくて、自然と足は旧校舎に向かう。


旧校舎の廊下は昼間でも薄暗く、足音だけが響く。


誰にも会いたくなくて、けれど誰に見つかるのも怖くて、雫は歩幅を小さくして進んだ。



ふと、壁に貼られた写真の列が目に入る。
一年前の文化祭で見た写真


1年生の体育祭で笑っている空の姿が、そこにあった。


胸が痛むのに、視線は離れない。


もう会わないと決めたのに、

もう会いたかった。



手を伸ばせば触れられそうで、
でも触れてしまったら崩れてしまいそうで、


雫は指先を震わせながら写真の前に立ち尽くした。



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