この命のすべてで、君を想いたい
週が開けてからも放課後、空と一緒に帰る日々が続いた。




いつの間にか夏は深まり
教室の時計が、夏休み前最後のチャイムを告げる。



夏の光がカーテンの隙間から射し込んで、机の上に淡い金色を落としていた。

『……あしたから夏休みだね』

「うん。なんか、早かったな」

空はいつものように笑いながら、カバンの肩紐を整える。



その笑顔を見るだけで、雫の胸がくすぐったくなる。


明日から夏休みでしばらく会えなくなるかもしれない。
寂しいのに、素直に言えなくて、言葉が詰まる。



窓の外は、蝉の声がうるさいくらい響いていた。



『……ねぇ、空って夏休み、どこか行くの?』


「んー、まだ決めてないけど……雫と遊ぶ予定は入れてる」


『は? まだ……何も……』

言葉が途切れ途切れで、心臓が早鐘を打つ。



「言われなくても、行くつもりだったから」

さらっと言って笑うその顔に、雫は小さく息を吐く。



『……勝手に決めてるし……』


言いたいことはあるのに、こんなこと慣れてないから上手く言い出せない……




「勝手っていうか……俺が会えないと寂しいから、って話」


その言葉は軽い調子なのに、不思議とまっすぐで、心の奥に響く。


雫の胸は高鳴り思わず俯く。


『……そ、そっか……』
言葉少なに頷くしかできない自分に、少しもどかしくなる。


でも胸の奥は、喜びで温かく膨らむ。

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