花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

eat your answer

「恋乃《れの》さま。来客ですが、いかがなさいますか」

 画面から目をあげずにわたくしは答える。「お断りして」

「いえあの……」珍しく秘書のアケミが当惑する声を出す。「どうしても、と強く仰っていまして……」

 ワイヤレスイヤホンを外す。

「神宮寺恋生の婚約者、と言えば、恋乃さまには分かる、とのことでして……」

「そう? ならお通しして」

 会うのは十五年ぶりか。相変わらず、つんとした空気を放つ。生意気で、いけすかない。

「お忙しいところお時間を頂き、恐れ入ります。……こちら、よろしければ」

「あら。そんなものはよかったのに……」紅茶の缶か。悪くはないチョイスだ。「アケミ、お預かりして」

「かしこまりました」

 社長室にふたりきりとなる。革張りのソファーに目をやる川瀬花子は、就活生の着るような黒スーツを着ているようだった。ふん。それで挑むつもりか。

 まぁいい答えをよこせ。わたくしを納得しうるものでなければ許さない。
 
 天下の神宮寺財閥の御曹司を捕まえたからには、それなりの見返りをよこせ。
 
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