危険すぎる恋に、落ちてしまいました。1【完結】
11.エピローグ
白百合チーム壊滅の騒動から数週間。
黒薔薇学園では、ある名が静かにゆっくりと広まっていった。
——戦場を女ひとりで駆け抜け、羽の様に舞い、
風のように敵を薙ぎ払った彼女。
——その拳は刃より鋭く、その瞳は炎より強い。
いつしか人々は彼女をこう呼び始める。
“黒薔薇の戦血姫”——雨宮 美羽。
黒薔薇の名に新たに刻まれた、伝説の称号。
「なあ聞いたか? 白百合を一晩で潰したらしいぞ。」
「しかも…たったひとりで、だってよ。」
「黒薔薇の王が唯一溺愛する姫だって話……本当なのかな。」
「そりゃそうだろ、あの椿が守ってるくらいだ。よほど大事なんだよ。」
廊下のざわめきが、次々と彼女の名を運ぶ。
当の美羽はというと、
肩まで流れる髪を揺らしながら、ふわりと笑って否定していた。
「戦血姫なんて呼ばれるの、恥ずかしいんだけど……!」
しかし隣を歩く椿は、どこか誇らしげに目を細める。
「いや、似合ってるだろ?俺の女にぴったりだ。」
「な……なにそれ!?」
「事実だろ。美羽は俺の誇りで、自慢のお姫様だからな?」
そっと繋がれた手の温もりに、美羽の胸はくすぐったくなる。
こうして黒薔薇学園には、新たな伝説が刻まれた。
最強の王・北条椿が唯一想いを捧げるたったひとりの姫——
“黒薔薇の戦血姫”。
その名は、今日も静かに、そして確かに学園中へ広がっていくのだった。
Fin.
黒薔薇学園では、ある名が静かにゆっくりと広まっていった。
——戦場を女ひとりで駆け抜け、羽の様に舞い、
風のように敵を薙ぎ払った彼女。
——その拳は刃より鋭く、その瞳は炎より強い。
いつしか人々は彼女をこう呼び始める。
“黒薔薇の戦血姫”——雨宮 美羽。
黒薔薇の名に新たに刻まれた、伝説の称号。
「なあ聞いたか? 白百合を一晩で潰したらしいぞ。」
「しかも…たったひとりで、だってよ。」
「黒薔薇の王が唯一溺愛する姫だって話……本当なのかな。」
「そりゃそうだろ、あの椿が守ってるくらいだ。よほど大事なんだよ。」
廊下のざわめきが、次々と彼女の名を運ぶ。
当の美羽はというと、
肩まで流れる髪を揺らしながら、ふわりと笑って否定していた。
「戦血姫なんて呼ばれるの、恥ずかしいんだけど……!」
しかし隣を歩く椿は、どこか誇らしげに目を細める。
「いや、似合ってるだろ?俺の女にぴったりだ。」
「な……なにそれ!?」
「事実だろ。美羽は俺の誇りで、自慢のお姫様だからな?」
そっと繋がれた手の温もりに、美羽の胸はくすぐったくなる。
こうして黒薔薇学園には、新たな伝説が刻まれた。
最強の王・北条椿が唯一想いを捧げるたったひとりの姫——
“黒薔薇の戦血姫”。
その名は、今日も静かに、そして確かに学園中へ広がっていくのだった。
Fin.