気まぐれ王子と召使い
違和感

今日も相変わらずノートや教科書が無い。

忘れた訳ではないはずなのに、無くなっているそれに心が段々と消耗していくのが分かった。


世那とは学校で会っても会話はない。

それどころか、私の目を見すらしないでどこかに行ってしまう。


(世那は私の事どうでもいいのかな…)


あの時は助けてくれたけど、今回は助けてくれないかもしれない。

どんよりと心に陰を落とすも、水瀬ちゃんの励ましや真堂の言葉を思い出してギリギリ心を持ち上げる。


(私のことを見捨てない人がいるのに、自分が見捨てちゃいけないよね)


悪意のある視線や笑い声を受け止めながらも、私は教室で授業を受けた。



昨日と同じように昼休みは空き教室で食べようと移動してる時だった。



「よっ!山吹」


「うわああああ!!!!」


ビクッと身体が跳ね上がり声を荒らげると、声を掛けた張本人の真堂もびくりと身体を揺らした。


「うわっ!なんだよ…そんな驚くことか?」


「い、いや、変に気を張ってたからちょっとびっくりして……」


「噂流れてるもんな、そう言えば。全く、有名人も大変だな」



ニコニコと笑う真堂に他意があるのかどうかは置いといて、私にとってみれば笑えない話ではある。

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