傲慢王子の放浪譚〜調子に乗りまくって王位継承権を失いかけている崖っぷち王子の成長物語〜
そんな折、
執政院の有力者が暗殺される事件が発生。
殺されたのは日頃からエリアスと激しく対立している人物であり、
人々はエリアスの派閥の仕業ではと疑い、
支持は急速に失墜していく。

しかし、真の黒幕は別にいたのだ
――エリアスの側近のリカルドである。
彼は裏で敵国と通じ、
ユーフォルビアを混乱に陥れようとしていた。

連日激しい批判に晒され、
意気消沈するエリアスをサポートすべく、
フィリップは真相を追っていた。
その過程で彼は驚くべき事実を知る。

「リカルド……あの男は、叔父様に仕えていた密偵……?!」
なんとリカルドはかつてハイドランジアで失脚したフィリップの叔父の手先として、
国外で暗躍していたのだ。

真実を知ったフィリップはリカルドを問い詰める。
リカルドはフィリップに嘲笑混じりに言う。
「お前たち“王の血”が理想を語るなど滑稽だ。この国も結局は同じだ。人は誰かの上に立ちたがる。理想など幻に過ぎん。お前はこの国でただのフィルと名乗っているが、俺は知ってるぜ。ハイドランジアのフィリップ王子よ。ヴァルタザールやお前の叔父は詰めが甘くて失敗したが、俺はあいつ等のようにはならない。お前だって国に帰れば皇帝になる身。本心では高みの見物のつもりだろ?だって関係ないもんな。」

フィリップは動揺する。
「俺は……結局、また上から見下ろす側の人間なのか?」
正義と偽善の境界に立たされ、
自信は揺らぐ。
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