友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
 素直な気持ちを伝えれば、彼は露骨に視線を逸らす。
 表情は変わらなかったけど、照れているのかもしれない。

「蛍くんも、成長しているんだね」
「そうだと、いいのですが」

 そんなところもかわいらしいと伝えたら、怒るだろうか。
 それとも、喜んでくれるだろうか。
 試してみたい気持ちもあったけれど、せっかくいい雰囲気になれたのだ。
 それは戦いを終えたからのほうがいいと判断した。

「さっきは取り乱して、ごめんね。次こそは年上らしく、ばっちり決めるから!」
「無理だけは、しないでください。俺は両親に、ありのままの菫さんを認めてもらいたいので」
「うん!」

 私達は2人仲良く手を繋いで商業施設を出ると、伊瀬谷家を目指した。
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