私の愛すべき人~その別れに、愛を添えて~
夢にまで見た未来。喉から手が出るほど、欲しくて仕方がなかった人と、家族になる。

以前の私だったら、きっとこの場で即答していたはずだ。

嬉しい。嬉しいのに、どうして、私の心は、素直に「はい」と言ってくれないんだろう。

「返事はまた後日、聞かせてくれる?」

彼の優しい眼差しを前に、私はゆっくりと一度だけ頷いた。

そして、その日。離れていた時間を埋めるように、私達は同じベッドで、眠りについた。

翌朝。

目が覚めると、隣にはもう涼介の姿はなかった。

だけどシーツに残された彼の残り香が、昨夜の出来事が夢ではなかったのだと、私に教えてくれた。

トクン、と胸が小さく、そして温かく弾む。

そっとカーテンを開けると窓の外には、音もなく、柔らかそうな雪が降り続いていた。

この胸のざわつきも、涼介と一緒にいれば、きっとこの雪のように静かに溶けて消えていく。

昔のような、ただ幸せだった日々にきっと戻れるはず。

私は窓の外の白い世界に向かって一人、静かに呟いた。

「涼介、私ついて行く」


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