君のとなりで、恋をする
そう思った瞬間だった。

翠ちゃんの手がふと止まり、視線が遠くへ向かう。

その先には、友達とふざけ合う結城さんの姿。

ほんの一瞬。

翠ちゃんの横顔が、柔らかく揺れた。

ほんの数秒のことなのに、その表情が頭から離れなかった。

光を見つめるみたいに、少しだけ遠くを見ていた。


(あんな顔、俺には向けたことないな)


心のどこかでわかっていたはずなのに、いざ目の前で見ると、息が詰まりそうになる。

声をかけようとして、結局やめた。

この笑顔を壊したくなかったから。

見たことのない、特別な光。

──胸が締めつけられる。



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