君のとなりで、恋をする
──電車の中。
押し寄せる人の波に押されて、よろけた肩を支えた。
小柄な肩が、押しつぶされそうになっていた。
誰かのバッグや肘が雑に押してくるその間に、彼女が紛れているのが、一瞬、妙に腹立たしく見えた。
腕を引いて、背中を支えた時、距離が近すぎて、心臓の鼓動がバレるんじゃないかと本気で焦った。
庇うのが当然だと、自分に言い聞かせたけど――
本当は、ただ守りたかっただけだ。
他の誰にも触れさせたくない。
そんな独占欲に似た感情が、一瞬よぎった。
(は? 何それ)
自分の中から出てきた感情に、思わず眉間に皺が寄る。
らしくない。けど、消えなかった。