君のとなりで、恋をする
──昼休み、教室。


ざわめきの中、ふいにドアが開く。


「結城先輩……!」


誰かの小さな声。


「長谷川いる?」


自然な調子なのに、教室の空気が一気に張りつめる。

心臓が跳ねるのを抑えながら、私は立ち上がった。


「今日、一緒に帰れる?」


まるで当たり前のように言うその声。

ざわつきはさらに大きくなる。


「翠ちゃんは、今日の放課後、俺と図書室で勉強するんで」


大和くんがすぐに割って入る。

教室の空気は揺れ、視線が突き刺さる。

けれど、結城先輩は涼しい顔のまま。


「そうか。……俺は今日、生徒会あるから。その後、校門で待ってる」


軽く笑いながら言い放つ。


「下校時間は、俺がもらうから」


視線が交差する。

胸が苦しくて、声が出なかった。








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