背徳に抱かれて~借金のカタに全てを奪われた私は、裏社会に身を置く幼なじみの甘い支配に溺れていく~
(ご、5000万円? え? 何、この金額……)

 借用書に記された金額はとんでもなく大きくあまりにも現実離れしているせいか、一体何にそんな大金を使ったのか、そんなに借りることが出来るのか、なんて、今考えなくてもいいようなことを考えてしまう。

 そして、いきなり突き付けられた現実に戸惑っている私に、黒髪で短髪、赤髪男より少し背が高く似たような柄シャツを着たもう一人の男の人が、

「ちなみに、連帯保証人はアンタの名前になってるから、戸部がバックレた今、その金はアンタが返すことになる」

 なんて、淡々とした口調で告げて来た。

「え? そんな! 無理です! 有り得ない!」

 それには私もびっくりして、思わず言い返す。

 だって、そうでしょ? いきなりそんなこと言われたって、そんなの無理があるもの。

「いやいや、無理ですじゃねぇって。その紙にも書いてあるだろ? 《借りた本人に支払い能力が無い、又は支払いを放棄した場合は連帯保証人が全ての債務を負う》って」
「そんなこと言われても、勝手に連帯保証人にされただけだし、そもそもそんな契約はおかしいと思います!」
「ああ? テメェ、偉そうなこと言ってんじゃねぇよ。経緯はどうであれ、こっちには借用書がある。そこに書かれてることが全てなんだよ」
「恨むならクズな男と付き合ったテメェの運の悪さを恨めよ」
「…………っ」

 赤髪男と黒髪男の二人に凄まれた私はそれ以上言い返すことが出来ず、萎縮してしまう。

(どうしよう、どうすればいいの? こんなの、無理だよ……)

 一体どうすればいいのだろう。

 私が一人困り果てていると、

「おい、取り立てにいつまで掛かってんだよ。次が控えてんだからさっさと話付けて来いって言ったろ?」

 彼らの仲間なのか、新たな男の声が聞こえて来た。

(え? まだ仲間が居るの?)

「すみません、話の分からねぇ女で」
「今すぐ話つけますんで」

 しかも、二人の男が背筋を伸ばし、下手に出ているところを見ると、どうやら彼らの上司らしい。

(どうしよう、どうしよう……)

 逃げ場すら無い私がただ焦っていると、

「はあ……もういい、俺が直接話を付ける」

 二人を押し退け、長身細身の男らしい身体つきで高級そうなスーツを身に纏い、金色短髪無造作ヘアの男の人が私の前に姿を現した。
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