Love in Crisis

◆エピローグ

事件から数日後、莉子は穏やかな公園の小道を歩いていた。
手には奏叶の手がしっかりと握られている。
「ねえ、ムギは……?」
莉子がふと笑顔で尋ねると、遠くから元気な吠え声が聞こえた。

「……あっ、ムギ!」
小さな犬が駆け寄ってきて、莉子の足元で跳ねる。
「よかった……元気だったんだね」
莉子はムギを抱き上げ、安心したように微笑む。

奏叶も笑みを浮かべて見つめた。
「危なかったけど、こうして一緒にいられる」
二人の間に、事件を乗り越えた安堵と温かさが流れる。

夕焼けが空を赤く染める。公園の木々が長い影を落とす中、莉子は奏叶の顔を見上げた。
「奏叶……ありがとう」
「俺こそ、莉子を守れてよかった」
互いの目がしっかりと絡み合う。

そして、自然と唇が重なった。
事件の緊張感がまだ胸の奥に残る中での、初めて二人きりの静かなキス。
夕焼けの光が二人を包み込み、世界は一瞬止まったように感じられた。

ムギが小さく吠え、二人の周りを駆け回る。
その足音が、日常の平穏と未来への希望を告げているようだった。

危険と涙のあと、二人の心には確かに新しい絆が結ばれていた。
そして、これからもずっと――。


…end
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