俺様御曹司はパイロットになって愛しい彼女を迎えに来る

再会

今日も空はさわやかに青く美しく太陽が輝いている。

9月の空が一番好きな空。

彼女の名前は秋野空(あきのそら)なんだか文章の書きだしのような名前だが空は自分の名前は気に入っている。秋の空も大好きだ。

名前が空だからというわけではないが彼女は子供の頃から大空を翔る飛行機が大好きだ。

子供の頃住んでいたのは羽田空港への発着便が時々見えるところだったので、余計に飛行機好きに拍車がかかったのかもしれない

飛行機好きだからという訳でもないが空は飛行機雲が大好きだ。

飛行機が雲の尾を引いて太陽に向かっていくように飛んでいく姿を見た時、感動にぽかんと口を開けて空を見上げていた小さな女の子、今二十六歳の大人の女性になったが相変わらず、飛行機と飛行機雲が大好きでいつも空を見上げている。

空は家族に恵まれて温かい家庭で育った子供ではない。

その境遇ゆえに強者には決して屈せず弱者には手を差し伸べられずにいられない。

高校生の頃からいろんな事を自身の感情や周りの状況を把握することで決断してきた。

人に頼るのが苦手な可愛げのない女の子だという自覚もある。

飛行機が大好きな空の夢は客室乗務員CAになることだった。それも日本の航空会社のCAだ。

でも大学4年のときCAの募集は外資系の航空会社が2社あっただけで、国内の航空会社ではグランドスタッフのみの募集しかなかった。

その翌年にはCAも募集があるらしいという噂があったが、自分の経済的な状況から就職浪人するわけにはいかなかった。

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