夢幻に消えた君と、存在しない約束の続きを。
ベッドの上で青い手帳をめくった。
手帳の中には、彼女との約束がびっしりと詰まっている。
でも、それを開くのは、誰の目もない夜だけ。
昼間の僕は、蒼なんて最初からいなかったかのように、小野佑介という一人の少年を演じ続けていた。
最後の方のページに一つだけ、不自然に折られたページがあった。
蒼がなにか残していたのかと開いてみるが、何も書いていなかった。
ただ、折り曲げてしまっただけか。
彼女が命を削って僕にくれた日常。
だから、僕はそれを楽しまなければならない。
たとえそれが、どれほど虚しい演劇だとしても。
テレビのスイッチを入れた。
バラエティ番組の笑い声が、静かな病室に響き渡る。
僕は、偽物の笑顔を顔に貼り付け、画面の中の誰かと一緒に、声を上げて笑ってみせた。