私は死亡者
偽りの私は震える声で言った。

「私には……
生きる場所なんて……ない」

「あるよ。
あなたは“私を殺すために生まれた影”じゃない。
あなた自身の名前を持てばいい」

偽りの私は首を振る。

「影は名前を持てない」

「じゃあ、私がつける」

私は少し考え——言った。

「“未鈴(みり)”。
未来の“未”、美鈴の“鈴”。」

偽りの私——未鈴は息を呑む。
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