愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~
「いやいや、オレンジジュース、しかも100%を温めるって聞いたことないんだけど」
「そうですか? さざんかのメニューにもありますよ」

 初耳だ。それって美味しいのか?
 料理上手の咲良ちゃんが美味しいというなら、そうなのだろうけど、にわかには信じがたい。

「私も初めて存在に気付いた時びっくりしました。昔の喫茶店ではよくあるメニューだった、て店長がいってましたよ」
「……ごめん、にわかには信じがたいんだけど」
「私も最初、罰ゲームかなにかかと思いましたよ」
「そうだろうね」
「ふふっ、そうでしょうね。マンションに着いたら作るんで、飲んでみてください!」

 これは断るに断れない展開だな。
 少しの不安を抱きながら「一口だけね」といえば、咲良ちゃんの目が少し悪戯っ子みたいに笑った。

「他にも必要なものあるよね?」
「……他にですか?」

 きょとんとした咲良ちゃんはカゴの中を覗き込むと、不思議そうに首を傾げた。たぶんこれは、朝食のことしか考えていないな。
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