無口な警察官様とのまさかの同居生活についてご報告します〜過保護で甘々で困っているのですが…!〜
格好は普段の外出スタイル。
一日泣きはらしてむくみきった顔は、化粧をしてもひどいままだった。

重い気持ちで彼の家のインターホンを鳴らす。
待ち構えていたかのように、すぐさまドアが開いた。

久しぶりに目の前にした大きくてがっしりとした体と端正な顔立ちに、やっぱり見惚れてしまう。
きりっとした目を優しく細めて、彼は穏やかな声で言った。

「久しぶり。さぁ上がって」

私はぎこちない笑みを浮かべた。

「……いえ、あの……今日はここで」

湊さんが怪訝な顔をした。
私はおもむろにバッグから封筒を差し出した。

「事件を解決してくださって本当にありがとうございました。こんなじゃ全然足りないと思うんですが、今の私に出せる精一杯の額です。受け取ってください」
「お金?」

湊さんは眉をひそめた。

「受け取れないよ。そんなことより早く――」
「今日はお礼だけを渡しに来たんです。辛くなるからディナーも遠慮します」
「……それはどういう意味?」

泣きそうになるのを耐えながら、私は湊さんを見つめた。

「お別れしてください」
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