【番外編追加】ロマンスに、キス
「お前、シたいの?」
唐突すぎる佐野の言葉に、心臓が一瞬で変な跳ね方をした。
「したいって、なにを?」
「エッチ」
……は?
あまりにもストレートすぎて、脳が追いつかない。
「……悪口?」
「ちげーよ、セックスだよ」
その言葉が落ちてきた瞬間、空気がひやりと変わるのがわかった。
なんてことを言うんだ――そう思ったのに、胸の奥では、まったく違う反応をしていて。
あ、そうか。
あたしは……佐野と、そういうことをしたかったんだ。
だから、ここ最近ずっと離れたくなくて、佐野の近くにいたくて、もっとって欲しくなっちゃうんだ。
気づいた瞬間、息の仕方すらわからなくなる。
でも、そんな本音を素直に言えるはずもなくて。
「し、たく、ない」
真逆の言葉が、勝手に口からこぼれる。
しかも途切れ途切れで、嘘だっていうのが丸わかり。