『ドレスに宿る誓い』―Elara & Lanois 王国を変えた仕立て屋たち―

翌週。
シルヴィアはリディアの元を訪れ、
アトリエを離れる決意を告げた。

リディアは驚きながらも、
静かに彼女を抱きしめる。

「寂しくなるけど……あなたが自分の力で進もうとしてるの、とっても誇らしいわ。
行ってらっしゃい、シルヴィア」

涙ぐむシルヴィアに、
そっと別れの花束を渡すリディアだった。

リディアのもとを去ったシルヴィアは
Elara&Lanoisに
イラストレーターとして入社する。
エルヴィンやエラのイメージを
イラストに落とし込むのが仕事だ。
白紙のスケッチブックを開いたシルヴィアは、
筆を取り、最初の線を走らせる。

そこに描かれたのは――
アリス王妃が身にまとう“次のスーツ”の姿。

「シルヴィア、このイメージ……すごくいい。」
「本当？ 嬉しい……！」

こうしてシルヴィアは
Elara&Lanoisの“顔”となるイラストレーターとして
新たな道を歩み始めた。