『ドレスに宿る誓い』―Elara & Lanois 王国を変えた仕立て屋たち―
「これは、プロの縫製みたいに綺麗じゃない。
 俺の自己満足かもしれない。
 けど……どうしても……君に贈りたくて。」

シルヴィアは両手で胸元を押さえた。
あふれそうな涙で視界が揺れる。

「……エルヴィン様……」

彼に歩み寄り、彼の胸に顔を埋める。

「どんなに豪華なドレスでも……
 王妃さまが持っていらっしゃるような宝石でも……
 このドレスには敵わないわ。」

涙が彼の胸元を濡らす。

「だって、これは……
 あなたが私のためだけに作ってくれた、
 世界でたった一つの――愛のドレスだから。」

エルヴィンはそっとシルヴィアの頬に触れ、
震える指で涙を拭った。

「……シルヴィア。
 君が、このドレスを好きだと言ってくれるなら……
 それだけで、俺は……幸せだ。」

二人は自然と引き寄せられ、
柔らかく、しかし確かな想いを込めて
唇を重ねた。

革命の足音が迫る夜――
部屋の中には、
ただ二人の鼓動だけが響いていた。

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