マミルとマモル! ~キミのシッポは僕だけの秘密~

プロローグ

 こんど、もうちょっと大きな部屋にお引越しするので、荷物を整理してたら、本やアルバムの間から、それは見つかった。

 勉強用のノートを一冊代用して初めて書いた日記。

 パラパラとめくってみる。

 あ、こんなこと、あったんだっけ。

 そうそう、これがきっかけてでわたしたちは……

 そのころは、毎日毎日いろいろなことがあってあわただしかったから、ちょびっとずつしか書けてないけれど、
 こうやってちょっと読み返すだけでも、あのころの楽しい思い出、せつない思い出、今でも胸がきゅんとなる思い出……つまり、初恋の思い出がよみがえってくる。

 表紙の角が折れていたり、もうだいぶ古ぼけているけど、とっても大切な思い出がつまった、わたしの宝もの。

 『はかどるお引越しコツ』というのをネットで探してみたけど、こんなアドバイスがあった。

"アルバムや日記を開いて思い出に浸ってしまうと、そこで思考が停止して作業が完全にストップしてしまいます。これは、引っ越しがはかどらない最大の原因です。
まずは、それらの品物を「思い出ボックス」と書いた専用の段ボール箱にまとめて入れ、フタを閉じて一時的に隔離しましょう"

 まさにこれだよね。『思い出ボックス』を作らなくちゃ……でもやっぱりちょっとだけ。休憩もかねて。

 わたしは、荷造りの手を休め、段ボール箱の山に埋もれて、床に座り、かべにもたれかかった。


 シッポをお尻で踏んづけないようにしながら。


 
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