Naked Love〜涙の跡を舌で辿る時〜

涙を辿るその先に…。

ちゅ、ちゅ、ちゅ、

と、何度も甘くて柔らかな唇が私の顔に落ちてくる。

最後に涙をキスで辿られて、目眩がしてきた。


「何度も泣かせてごめんね」

「もう、謝るのはなし、ね?」

それでも、不安そうな彼は、私の体をぎゅーっと抱き締めて、そのまま、耳で甘く、

「好きだよ、これからは一番傍に居たい」


と囁いてくれる。

あんなに恋しいと思って、
あんなに思い募らせ、
あんなに悲しみに暮れた筈の気持ちは、


こんなにも愛しいと想うこの温もりで一瞬にして過去となった。

「私で…いいの?」

「希子ちゃんがいい。希子ちゃんしかいらないんだ、ずっとずっと、俺の人生には…」


ぱちん

そんな音を立てて、胸の中で彷徨っていたパズルのピースがしっかりと当て嵌まっていった。


「希子ちゃん、こんな俺だけど…」

「ストップ。それは……」

私は、彼の唇に人差し指を当てる。
そして、その指に自分の想いを乗せるようにして、踵を少しだけ浮かせ小さくキスをして、微笑んだ。


「私を、悠久くんの、お嫁さんに…してくれませんか?」

私の全てを掛けた、愛のコトバ。

そんな私に、一瞬だけ驚いてから…泣き笑いみたいな表情で、

「此方こそ…希子ちゃんだけの、唯一の存在で居させて下さい」

と、言ってくれた。


「……私達、遠回りし過ぎたね」

「でも、今こうして希子ちゃんを抱き締められているから、俺は幸せだよ」

「ん…それは、私も同じだよ?」


じわり。


また、溢れてきそうな涙を自分で拭おうとしたら、それはキスというよりも…沸騰しまいそうなくらい熱い彼の舌でなぞられて、小さく「愛してる」と告げられた。

「バカ」

「希子ちゃんは、どこも柔らかくて温かいね」


抱き締められた、その方の向こう側。

鮮やかなイルミネーションが、彼の想いの全てを表しているようで、私は彼の逞しい胸元にこつんと、額を付けて…。


「愛してる」


とだけ、呟く。

それは小さな音だった筈なのに、しっかりと彼には届いていた様で、また頭の先にキスをされ、


「俺の方が、だけどね」


なんて、満面の笑みで、抱き締める腕に力を込められた。



ねぇ、こんな風な物語の終わりがあるのなら。
今迄の寂しさや悲しかった過去も、まるで生まれたままの"アイ"に繋がった日々だったんだね。


貴方に口付けされた場所が全て熱くなっていく。
それは、甘い火傷になりそうな、緩い感覚で。

私と貴方で織り成す世界。

それだけが、二人だけの幸せな世界…。


fin.


< 24 / 24 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
私の住んでいる家には…。 とっても懐っこくて。 とっても格好良くて。 大切な、まるでふわふわの大型犬がいます。 その名は窪田静人(くぼたしずと)…。 私だけのよび名は「しーちゃん」 ずっとずーっと…。 彼だけを傍に。 彼から注がれる愛だけを信じて。 偶に「仔猫みたい」って、 つんつんしちゃう時もあるけど。 彼の前では、誰にも見せない顔を。 だって、こんなにも愛しいから…。 しーちゃんに近寄る女の子達には、 「静人に触らないで」 と、さり気なく牽制を。 私に寄ってくる男共には、 「だから?私、静人以外必要ないので」 と、バッサリ断ち切る。 色目を使って来ようものなら、 「は?私の全部は、静人のモノだから」 と、断言する。 私の世界はしーちゃんのもので、 しーちゃんの世界は私だけのもの。 だから…私にとってしーちゃんは、 唯一無二で…煌く光。 愛しくて愛しくて、堪りません。 ❐❐❐❐❐❐ しっかり者女子(飼い主?) 雨宮彩恋(あまみやあこ) × ❏❏❏❏❏❏ 幼馴染の同居人(ペット?) 窪田静人(くぼたしずと) 「しーちゃん、大好き」 「あこちゃん!俺も!大好き!愛してるー!」  「まーて!おすわりして!ふせだよ!」 「あおーん」 「よーしよし」 この関係は、 絶対に誰にも邪魔させない。 START:2025/11/03 END:2025/11/04
王子様が、私だけに甘過ぎます!

総文字数/10,585

恋愛(学園)5ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
何だかよく分からないけれど…。 気付いたら。 学園一の「氷の王子様」と称される男子、 一条光樹(いちじょうみつき)に目をつけられ。 「かわいいね」 毎日、毎日、そう言われ続けています。 なんで? 他の人には酷く冷たいって聞いているのに。 そう聞くと、いつも返ってくるのは同じ言葉。 「だって、葉子が可愛いのが悪いんだよ」って。 私、永井葉子(ながいようこ)は、 平々凡々な普通の女の子。 どこにでもいるようなそんな私に、 彼はなんでこんなに優しくするの? 全然彼の意図が分からない。 氷よりも冷たい?イケメン俺様男子 一条光樹(いちじょうみつき) 「葉子が好き過ぎて、ヤバい」 × 恋愛には逃げ腰な平凡?女子 永井葉子(ながいようこ) 「好きって、本当…?」 とにかく毎日が甘過ぎて…。 本当に、王子様が私だけに甘くて困ってます。   ☆START:2019-11-14☆
好きとキスの嵐

総文字数/15,134

恋愛(学園)12ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
なんで、こんなやり取りをしなきゃいけないんだよ! …こんな、時に。 無口(?)なはずなのに、テレ屋な彼氏 「…は?!なんで!今!そんなこと言うわけ?!」 告白はクールに決めたつもりだったのに…。 彼女の前では甘々で溺愛過ぎる、彼女大大大好きマン。 宮崎大智(みやざきだいち) × 天真爛漫甘えた彼女 「…?なんで?こういうのって、大智くんとなら何時でもよくない?」 純粋だけど天然小悪魔、その名の通り彼氏大好きっ子。 仲野由希(なかのゆき) さて、二人の今年の可愛いやり取りは? バカップル全開な、夏の一幕…。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop