秘密な恋愛
それから。
少しして芽依が落ちついてから
2人はまた、父のもとへと戻った。





扉を開けると、
芽依のパウンドケーキを食べていた父。


(食べてくれてる···)

目の前で自分の作ったお菓子を食べてくれていたことが、嬉しい芽依。


「··上手いだろ、芽依の作ったそれ」

佑陽の言葉に父は
​「···あまりにも懐かしい匂いがしたからね。つい食べてしまった。···ん、本当に美味しいよ、芽依さん。ありがとう」


「いえっ··。喜んで頂けて良かったです!」



食べ終え、フォークを置き

「佑陽」

どこか落ちついた声で、佑陽に姿勢を向ける父。

「···なんだよ。さっき芽依泣かせたことは許さねぇからな。」

「それはほんとに申し訳なかった。···素敵な子をみつけたな。安心したよ」



​そう言って、嬉しそうに目を細めた。その穏やかで温かい眼差しは、先ほど芽依を試した時の冷徹な社長の面影などなく、ただ一人の息子の幸せを願う、優しい父親の顔そのものだった。


「··あぁ」

どこか照れているのか
姿勢を逸らし、呟く佑陽。
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