君に出会えたから
「っ、ありがとう、山田君」



桜木 奈津

好きなものなどなど…
お寿司 犬 猫(動物は全部好き)チョコレート

嫌いなものなどなど…
ナス ピーマン 虫!!

趣味
パソコン 水泳 ダンス 勉強

性格
優しい 「こっちの席空いてるよ」
怒ると怖い「ねえねえ、私やめてって言ってるよね?💢(^▽^)/」
天然 「あ、今日プールか、プールバッグ忘れた。」






山田 彰人

好きなものなどなど…
唐揚げ ルービックキューブ(皆には秘密、推し活)

嫌いなものなどなど…
お漬物 ハイチュウ セロリ

趣味
ゲーム 読書 運動全般

性格
ヤンチャ 「ケンカしよーぜ!」
優柔不断 「えっと~、いちご??チョコ、選べねぇ~~!!」
頼りがち 「ごめんっ!!このほうき、片づけといてくんね?……サンキューー!」



1・私の家族
2・雨の日
3・グループの友達




1・私の家族
私は、幸せだった。そのままでよかった。楽しかった。嬉しかった。


ある日、小学二年生のとき、その幸せが壊れる音がした。聞いてしまったんだ。

「もう!やめてください!あなた!限界です!」

―――――――ガシャン!バリン!―――――――

「きゃあっ!痛いっ!」

「俺も限界だよ!ふざけるな!何が『やめてください』だ!『限界です!』だ!

俺もやりたくてやってるわけじゃ、ねえんだよっ!」

―――――――バンっ!ドンっ!―――――――

「きゃあああああっ!!ごめんなさいっ!わ、私が、私が、悪かったですっ!痛い!


やめてくださいっ!お願いしますっ!」

私は、見たんだ、まず、食器棚を倒してお皿をお父さんがお母さんにぶつけ、理不尽な

理由でお母さんを𠮟りつけ……頬を思いっきり何回も叩き、壁にそのままぶつけ、

あたまをつかんで、持ち上げるところを。

その日は、お父さんに何されるかわからなくて、怖くて、悲しくて、あまり寝ることができなかった。



次の日、いつも通りに学校に行って、帰ってきたらお母さんはこう言った。

「お母さん限界でね。お父さんと離婚することにしたの。ごめんね」

「…」

お母さんは優しく涙声ごめんねと何回も謝りながら抱きしめてくれた。

その日から、お父さんの姿を見ることなくなった。

事件はそのあとに起きた。

私は、小学四年生。普通恨むならお父さんだ。だけど、私の場合…お母さんを恨んだんだ。

小さくてあまり分からなかったからっていうのもあるけど、なんで、私だけおとうさんがいないの?なんで、おやつを食べれないの?

なんで、他の子と違うの?って、今考えると、多分、お父さんがいない分お金がなかったんだろうね。そうやって、色んな疑問が生ま

れた。結果、お母さんを恨んだんだ。苦しくて、悲しくて、嫌で、楽しくなくなって、嬉しくなくなって、いろんな感情が混ざったん

だ。

 お母さんに復讐をしようと思い、視線が私に向いてないときに、思い切り押したんだ。

そうすれば力が入っていなかっため、ふらつき、足をぐねった。

そして、お母さんは……走ることができなくなった。元々マラソン選手を目指していた、お母さんにとっては、一番嫌な事だったは

ず。私は、世界で一番最低な事をした。

最悪な子供だ。

それでもお母さんは、私を見捨てず、現在、高校一年生まで、育ててくれた。

お小遣いもくれるし、門限もちゃんと決まっていて、見捨てられた子供ではないというのがわかる。

元々、私は勉強が得意というわけではなかったっけれど、お母さんのためにたくさん頑張った。





2・雨の日

「あ、」

雨、降ってる。今日、予報見てなかったから傘ないや。どうしようかな。

でも、ちょっと、雨に降られたい気分かも、昔のこと思い出しちゃったんだよね。

外に出て濡れようとした、その時……「待って!!!」という声がした。

「桜木、傘ないのか?」

「え、あ、うん。山田君は?」

「俺?俺はあるよ。てか、折り畳み、一つ予備持ってるから、貸してやるよ!ほら!」

「わっ、っっと」

いきなり、カバンの中から出して、折り畳み傘を投げてきた。

「……」

「ま、別に使わなくても良いから。使わないなら、俺のロッカー入れといて!

じゃあな!!」

だんだん、彼、山田君の声が、遠ざかっていく。……早かったな。

「使わしてもらお。」

ポツ、ポツ、ポツ、ポツ。

雨の音が、心と頭に響き渡る。今日も、陰口、言われてたな。

『てか~、桜木さんって、ノリ悪いし、体育いつも見学してるよね。』

『そうだよね。グループには入ってるけど、仮って感じが半端ないよね』

『それなぁ~、体弱い子アピールうざいんだけど。』

『しかも、なんか休み時間も声掛けられるまで本読んでるしね~』

『もしかして、頭、悪いって気づいて、必死とか?』

『『きゃはははっ!!』』

『『マジ、ウケルわ~ははっ!』』



そういわれていたんだ。あぁ~、嫌だな。体育を休んでるのは理由がある。

元々、血のがん、白血病というものを患っていた。そのため、一応、体育を

休むように医者から言い渡された。

「ただいま~。」

「お帰りなさい~。」

お母さんは優しくしてくれはするけど、会話がない。

「お弁当。はい、ありがと。美味しかった」

「よかったわ。明日もいる?」

「いや、明日は食堂で済ませるから。」

「分かったわ。」

「じゃ、」

トットっトっ…

階段を昇ったら、自分の部屋に行って、遊ぶ準備をする。遊ぶというよりか、みんなで、勉強って感じだけど。グループのみんなとい

る時は、なんやかんやで楽しいけど。



3・グループの友達

待ち合わせと言われていた場所へと向かった。傘は、もちろん自分ので。そんなの、山田君のを使うわけがない。さすがにダメだと思

う。別に浮かれているわけじゃないから…!

「おっ!なっちゃん~!」

「わっ、のあ~!」

月見 望愛 通称のあだ。私のグループにいる、一人だ。グループにいる子は、私の家庭の事情を知っているし、白血病の事も知って

いて、中学生のころからの友達だ。

だから、仮のグループとか言われていたけど、他のみんなの交友関係が広すぎて、忙しくて

あまり、学校では話さないように気を付けてくれているんだ。多分。私たちは、別に、

仮と思っていない。とにかく私は思っていない。

「お~、やっと来たか~、遅いよ~っ!奈津っ~!」

「ごめんごめん。すーちゃん。ちょっと用意が遅くなってさ。」

「まっいいけど~!」

この子は、小山 純恋 通称 すーちゃん。この子も、とてもいい子だ。グループはこの私を入れて4人、あと一人は…

「お待たせ~~!」

「はぁ~、ゆいゆい、やっと来たよ~!もう!待ったんだからね!」

ぷくっと、頬を膨らませて、怒ったポーズをするのあ。可愛いなぁ~、私の中での癒しだ。

「ごめんって~~!!」

岡口 結菜 通称 ゆいゆい。この子は、めっちゃはしゃぐけど頭良いし、運動できるしなんでもできちゃう。

「じゃあ、早速、勉強会という名の遊び会、やっていくか~!」

「「「お~~っっ!!」」」

グループにいる時の私は、めっちゃはしゃぎ倒す!勿論、楽しいからだ!今日は、私と、ゆいゆいが先生なんだけど、みんなちゃんと

やる気があるかな?

「では、早速…ここが分かりませーん。」

とふざけて手を挙げて言う、すーちゃん。そして、

「えっと、ここは…xの式がこうだから2b―aになるでしょ?そしたら……」

と教えている、ゆいゆい。なんやかんやでここもいいペアだ。

「ねえねえ、なっちゃん…私も教えて……ここが分からなくて…」

小声聞いてくる。つんつんと服を引っ張って申し訳なさそうにしているのあ。可愛い…!やっぱり望愛は可愛いなぁ~

「ここは、式が書かれているからじゃなくて、これはひっかけで、こっちはAグループの式が書かれてるから、こっちの56をかけて

5-bになって…」

そっから、ずっと私とゆいゆいはすーちゃんとのあを教え続けた。それから、2時間ほど経った後に、カラオケに移動して歌いまくっ

た。

「「かわいいだけじゃだめですか?」」

とゆいゆいとのあ。そ・の・あ・と・は!!

「「右、左、正面、キュン死させちゃう、可愛いものは…」」

…てかなんでこんな歌を歌うことになっちゃったの~~!!実は……

『ねえねえ、今日の分宿題とわからないところ終わったしカラオケ移動しない?』

…確かに!!ここにいるみんなは歌がうまい。ちなみに、私も、歌がうまいかどうかは

分からないけど、高得点は出せるほうだ。

『いいね!けって~い!』

『なら、流行りの、歌いながら踊る【かわいいだけじゃだめですか?】歌おうよ!』

え?えええええええええええ!!無理だよ!そう思いながらみんなのほうを向くと、

目を輝かせて、うなずいていた。……これは、もう否定できない。

『なら、決定ね。奈津もいいよね?』

『なっちゃん~!!』

『奈津?!!』

みんなからの圧がすごい…まぁいい思い出でしょ!!

『いいよ!』

こうして歌うことになって現在に至る。

「はぁ~~、疲れたねぇ~、カラオケでも、案外疲れるもんなんだね。」

「ね~~~、なっちゃん、…あれは、大丈夫?」

聞いてくれてるのは、白血病の事だろう。

「うんっ!大丈夫!ありがとうっ」

「どういた…しぇますえてぇ。~ひぇんにゃごえにいなっちゃちぇるちょ~」

ふふっ、わあたしがのあの、頬を軽くつねっているから、こんな声なのだ。

「ふっ、ふははは、あはははっ!」

「もうみんなして笑わないでよっ!」

「ふふっ、ごめんごめん。ちょっと可愛くて、てか時間も時間だし、帰ろっか!」

「「「うんっ!」」」

みんなで駅に向かって、ばいばいした。

明日も、みんなとあそぶのたのしみ~!

私は、心にある暗い気持ちが少し軽くなったような気がした。

この後、私があんなことになるなんて知らず……


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