【中】恋はタイミング
あのときと同じ場所に座ったあたしたち。


「平日の昼間はさすがに人少ねぇな」


「それに今日は、犬も太陽もいないし…静かだね」


空の隣はいつだって居心地が良い。




「レポートあと少しがんばろうね」


「そうだな。俺…山下ムカつくと思ってたけど、感謝もしてる」


「感謝?」


「陸と仲良くなれたのって、レポートのお陰みたいなとこあるじゃん?」


そうだね。空は遠い存在だと思ってたけど、今は隣にいるわけだし。


「じゃあ、あたしも山下先生に感謝しなきゃ」


わけわかんないレポートだったけど、素敵な時間をくれた。




今は前みたいな憧れでも何でもなくて、誰よりも空が好きだよ。


大好き。
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