夢か現か出会う君

第1話

俺はトランペットを持ち綺麗な花畑にいた。
そよ風に撫でられながら明るく爽やかに吹いていたその時これは夢だそう思った。
明晰夢か、
そう考え演奏を停めたら
『吹かないの?君の演奏好きだな』
後ろから声をかけられた。
俺が振り返ると、黒髪ロングの女の子がたっていた。
俺と同じくらいの年齢に見える。
『、、、そういうなら吹く』
練習してる曲を吹く。
『すごいね』
声をかけられまた演奏を止める。
『すごくないよ』
『あ、演奏止まっちゃった私のせいだね』
『そうだね』
彼女はぽかんとした様子で
『少しは否定しなよ』
そう言いながら笑った。
『私の名前は』
その続きは何故か聞き取れなかった。
『君は?』
『俺は』
言ったはずだ
発声したその感触は残っている
『そうなんだね』
この後はもう覚えていない覚えることが出来なかった。
「はぁ、覚えてろよ、、俺、」
大きな独り言と共に大きなため息。
俺は夢を見る度夢の内容を記録している。覚えておいた方がいいからだ。
既に知っている人の夢を見ることもあるが俺の夢は高確率で夢で見た知らない人と出会う。
そして確率は低いが、とても低いが、
その中の人が寿命以外で死ぬことがある。
事故、病気、事件、
酷い話だよな。
こんな重いものを1人に背負わせるなんて。
「祐斗ーそろそろ出た方が余裕あるよー?」
母さんの声余裕あるうちに出るか。
「はーい今行く」
紺のブレザーにネクタイ俺の感覚があっているか分からないが、自分の学校の制服はかっこいいほうだと思う。
スクールバックを持ち家を出る。
「いってきまーす」
「いってらっしゃい」
母の声を背に受けながら通学路を進む。
正直ダルい。
これで夢に出てきた人と出会ったら低確率でその人が死ぬんだ。
会いたくない。
そう考えて10分程歩き高校についた。
今日から2学期だしな転校生とかありそうで嫌だ。今の席隣が空いてるんだ。
こんなのないだろ、
人がまばらの昇降口に祐斗は入っていく。
< 1 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop