激重シスコン皇帝は、勝ち気な姫に陥落する
結婚できない皇帝
ドラゴニア帝国の宮廷は、
ここ数年の間に、
皇位継承をめぐって目まぐるしい動きがあった。
自分の力を見誤り、
無謀な侵略を試みたマルヴァリス皇太子が失脚し、
次に皇太子となったクレオールは
冷徹な圧政を強行。
皇帝が薨去して彼は皇帝に即位したが、
在位わずかであえなく自滅。
その後、
“真っ当な後継者”として、
帝国はようやくビンセントを迎え入れた――。
彼は地に落ちた皇帝の支持率を挽回すべく、
国内ではクリーンな政治を行い、
国外では友好的な外交を展開している。
おかげで新皇帝ビンセントの評判は上々だ。
しかし、
それだけでは安心できない。
その裏には帝国特有の事情があった。
失脚したマルヴァリスにも、
そしてクレオールにも、
息子がいたのだ。
帝国法により、
父親が失脚しても
その子供は帝室の子供として
後宮で保護される。
それゆえ、
血筋だけでいえば、
彼らの子どもたちは「潜在的皇位継承権」を持つ存在。
ビンセントに世継ぎができなければ、
彼らの一族が「皇位奪還」を掲げて
蜂起する可能性は非常に高い。
つまり――
皇帝ビンセントの結婚こそ、
帝国の平和を守る最後の砦なのだ。
彼が結婚し、
その后が男児を産めば、
その子こそが正当な皇帝の世継ぎなのだから。
それを理解する重臣たちは皆、
その重圧を背負っていた。
ここ数年の間に、
皇位継承をめぐって目まぐるしい動きがあった。
自分の力を見誤り、
無謀な侵略を試みたマルヴァリス皇太子が失脚し、
次に皇太子となったクレオールは
冷徹な圧政を強行。
皇帝が薨去して彼は皇帝に即位したが、
在位わずかであえなく自滅。
その後、
“真っ当な後継者”として、
帝国はようやくビンセントを迎え入れた――。
彼は地に落ちた皇帝の支持率を挽回すべく、
国内ではクリーンな政治を行い、
国外では友好的な外交を展開している。
おかげで新皇帝ビンセントの評判は上々だ。
しかし、
それだけでは安心できない。
その裏には帝国特有の事情があった。
失脚したマルヴァリスにも、
そしてクレオールにも、
息子がいたのだ。
帝国法により、
父親が失脚しても
その子供は帝室の子供として
後宮で保護される。
それゆえ、
血筋だけでいえば、
彼らの子どもたちは「潜在的皇位継承権」を持つ存在。
ビンセントに世継ぎができなければ、
彼らの一族が「皇位奪還」を掲げて
蜂起する可能性は非常に高い。
つまり――
皇帝ビンセントの結婚こそ、
帝国の平和を守る最後の砦なのだ。
彼が結婚し、
その后が男児を産めば、
その子こそが正当な皇帝の世継ぎなのだから。
それを理解する重臣たちは皆、
その重圧を背負っていた。