激重シスコン皇帝は、勝ち気な姫に陥落する
執務室を出るとき、
ほんのわずかにルチアの指先が
ビンセントの袖に触れた。

ビンセントは一瞬だけ目を見開き、
そのあとゆっくりと彼女の手を握る。

もう離さない。
どんな嵐のなかでも。

ルチアも握り返す。
「……あなたと一緒に帰ってこられてよかったわ、ビンセント。」

ルチアの目には
ビンセントだけに向けられる
確かな愛の光が宿っていた。
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