ひみつがくずれるとき

「実は遠いところへ行こうと思っているの。行ってからはもう利伊、それから楓やユウとは縁を切っちゃうから、その前に利伊と会っておきたくて」


 フウは冷静だ。温度のない感じで淡々と、無表情で私のことを見る。


「へー遠いところへ行くんだ」


 私は適当に流す。トランスジェンダーであることをアウティングされてしまったら、隠れて生きるのが一番かもしれない。そこで遠くへ行くのだろう。



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