推しが壁から出てきたので共に暮らします~最後の夏、最高の君と秘密の同居〜
手紙を読み終えた私は泣き笑いの表情を浮かべた。涙が落ちて便箋を濡らしてしまわないよう距離を保ちながら、高瀬くん、と呟く。
(最後の言葉が『好きです』、じゃないところまで、似てたんだなあ)
涙が鎖骨に溜まって流れていく。けれど、彼が消えてしまったときの茫然自失の涙とは少し違っていた。
「私も、あなたのことが大好きです。
高瀬くんの夢、必ず叶えるね」
便箋をそっと胸に抱きかかえた。
高瀬直人という存在がくれた色んなものを忘れないように、誓いを込めて。