Good day ! 6
ようやくホッとしたように、舞は肩の力を抜く。
そして少し首をかしげて聞いてきた。
「あの、相澤キャプテンはどういう瞬間にそう感じられたのですか?」
「ん? ああ。教官の雰囲気が変わったと?」
「ええ」
そうだな、と大翔は記憶をたどる。
「最初にお会いした時は、とても親しみやすい方だと感じて、肩ひじ張らずに会話していた。Mixed Fleet Pilotの話題になって、私が『現在どなたがいらっしゃるのですか』と聞いたら、伊沢キャプテンと藤崎キャプテンだと答えてくださって。それを聞いて驚いたんだ。藤崎キャプテンは女性ながら操縦の腕前は素晴らしいし、更にはMixed Fleet Pilotも務めていらっしゃるなんてって。それを口にした時だったかな」
すると舞は、「あ……」と呟いてうつむいた。
「次は、そうだ。確かコックピットでMixed Fleet Flyingを見学させてもらった時だったと思う。藤崎キャプテンが操縦桿を握っていらっしゃった。トリプルセブンについて質問させてもらおうとしたら、なぜか藤崎キャプテンとどこか別の場所で会ったことがあるような気がして、考え込んでしまった。そしたら、隣から佐倉教官のピリッとした視線を感じて……」
大翔は、気まずそうに身を縮こめる舞に気づいて、言葉を止める。
「どうかしたか?」
「はい、あの」
顔を覗き込むと、舞は頬を赤らめていた。
「どうした? ワインに酔ったか?」
いや、これはノンアルコールのはず。
そう思っていると、舞が上目遣いに見上げてきた。
「相澤キャプテン、すみません」
「ん? どうした」
「それは、あの。父の……、単なるヤキモチです」
「……は?」
大翔はポカンとする。
「ちょっと待て。なんの話だ?」
「ですから、相澤キャプテンが父の雰囲気が変わったと感じられたのは、おそらく父が、その、ヤキモチを焼いたからだと……」
「え、ヤキモチというのは、あれか? 食べるモチではなくて?」
「はい、別のモチです」
「どうして教官が、俺にヤキモチを焼くんだ?」
「それは、その……。お恥ずかしながら、父は母を溺愛しておりまして」
これ以上ないほど、舞の顔は真っ赤に染まった。
大翔はますます困惑する。
「教官が奥様を溺愛していて、俺にヤキモチを焼く? 一体、どういうシチュエーションで……」
そこまで言って、ハッとする。
「もしや、教官の奥様というのは……」
「藤崎キャプテンです。社内では旧姓を使っているので 」
「藤崎キャプテンが!?」
驚きのあまり言葉を失う。
色々なことが頭の中を駆け巡った。
「つまり、あの時コックピットには、佐倉教官は奥様と一緒にいらっしゃったのか。ということは、君は藤崎キャプテンの娘さん? あっ、だからか!」
次々と謎が解けていく。
「藤崎キャプテンをどこか別の場所で見た気がしたのは、君のことだったんだ。言われて見れば、君は藤崎キャプテンにそっくりじゃないか」
どうして気がつかなかったのだろう。
いや、気づかなくても無理はない。
同じエアラインに夫婦で、しかも子どもまで同じパイロットをしているとは、夢にも思わなかった。
そして少し首をかしげて聞いてきた。
「あの、相澤キャプテンはどういう瞬間にそう感じられたのですか?」
「ん? ああ。教官の雰囲気が変わったと?」
「ええ」
そうだな、と大翔は記憶をたどる。
「最初にお会いした時は、とても親しみやすい方だと感じて、肩ひじ張らずに会話していた。Mixed Fleet Pilotの話題になって、私が『現在どなたがいらっしゃるのですか』と聞いたら、伊沢キャプテンと藤崎キャプテンだと答えてくださって。それを聞いて驚いたんだ。藤崎キャプテンは女性ながら操縦の腕前は素晴らしいし、更にはMixed Fleet Pilotも務めていらっしゃるなんてって。それを口にした時だったかな」
すると舞は、「あ……」と呟いてうつむいた。
「次は、そうだ。確かコックピットでMixed Fleet Flyingを見学させてもらった時だったと思う。藤崎キャプテンが操縦桿を握っていらっしゃった。トリプルセブンについて質問させてもらおうとしたら、なぜか藤崎キャプテンとどこか別の場所で会ったことがあるような気がして、考え込んでしまった。そしたら、隣から佐倉教官のピリッとした視線を感じて……」
大翔は、気まずそうに身を縮こめる舞に気づいて、言葉を止める。
「どうかしたか?」
「はい、あの」
顔を覗き込むと、舞は頬を赤らめていた。
「どうした? ワインに酔ったか?」
いや、これはノンアルコールのはず。
そう思っていると、舞が上目遣いに見上げてきた。
「相澤キャプテン、すみません」
「ん? どうした」
「それは、あの。父の……、単なるヤキモチです」
「……は?」
大翔はポカンとする。
「ちょっと待て。なんの話だ?」
「ですから、相澤キャプテンが父の雰囲気が変わったと感じられたのは、おそらく父が、その、ヤキモチを焼いたからだと……」
「え、ヤキモチというのは、あれか? 食べるモチではなくて?」
「はい、別のモチです」
「どうして教官が、俺にヤキモチを焼くんだ?」
「それは、その……。お恥ずかしながら、父は母を溺愛しておりまして」
これ以上ないほど、舞の顔は真っ赤に染まった。
大翔はますます困惑する。
「教官が奥様を溺愛していて、俺にヤキモチを焼く? 一体、どういうシチュエーションで……」
そこまで言って、ハッとする。
「もしや、教官の奥様というのは……」
「藤崎キャプテンです。社内では旧姓を使っているので 」
「藤崎キャプテンが!?」
驚きのあまり言葉を失う。
色々なことが頭の中を駆け巡った。
「つまり、あの時コックピットには、佐倉教官は奥様と一緒にいらっしゃったのか。ということは、君は藤崎キャプテンの娘さん? あっ、だからか!」
次々と謎が解けていく。
「藤崎キャプテンをどこか別の場所で見た気がしたのは、君のことだったんだ。言われて見れば、君は藤崎キャプテンにそっくりじゃないか」
どうして気がつかなかったのだろう。
いや、気づかなくても無理はない。
同じエアラインに夫婦で、しかも子どもまで同じパイロットをしているとは、夢にも思わなかった。