幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係〜



 ドアを開けて部屋に入ると、宗介の自室はいつもながらきちんと片付いている。

 青いカーテンのベッドの上に単語帳が置いてあり、勉強机には整然と参考書が立てかけてあった。

 恋は、床に座って壁に寄り掛かると、ちょっとの間考えていたが突然どろん!、と変身をした。

 もくもくとあがる白い煙が薄まると、そこに居たのは一匹の美しい子狐。


「あ」


 お茶のトレーを持って二階に上ってきた宗介は、ベットの上の恋を見付けるともちろん眉を顰めた。


「こら、まーた狐なんかになって。」


 そう言いながら、宗介は、小さな子狐の姿の恋を首でつまみ上げた。

 恋を腕に抱き直すと、宗介はベッドに座って、屈んで手を伸ばして脇に置いている鞄からキャットフードの袋を出して開けた。


「まったく、しょうがない奴。早く戻りなね。狐の姿じゃ喋れないんだから。」


 宗介は、子狐がてのひらからキャットフードを食べるのを見ながら、そう呟いた。


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