こじらせCEOの壮大すぎる初恋計画 〜二代目女社長、冷徹なライバルに理不尽な政略結婚を迫られたはずが、すべては22年前からの策略でした!?〜
「ハルカ、おまえどうすんだよ。ここ危ないんじゃねぇの?」
「私も在宅勤務するし、出ないから大丈夫」
「ハルカちゃん、あの人こうなることを予想してこのネットワーク環境を作ったのかな」
「どういうこと?」
富樫の専門用語はさっぱりわからなかったが、あの短期間で準備できる中では一番安価で一番安全性が高い方法で在宅勤務可能な状態にされていたと富樫は説明する。
「富樫が天才すぎてよくわからなかったけれど、すごいってことだけわかったわ」
「なんもわかってねぇじゃん」
俺もわからなかったけれどと笑いながら、佐久間はパソコンを鞄の中に。
富樫も斜めがけ鞄にノートパソコンをしまうと、二人は玄関で靴を履いた。
「気をつけろよ」
「雨戸も閉めた方がいいよ」
「うん、そうする」
また10月にねと手を振り、遥は佐久間と富樫を見送る。
玄関の鍵を内側から閉めた遥は、すぐに雨戸を閉めた。
あぁ、そうだ。このスッと閉まる雨戸は隼人が直してくれたんだった。
部屋を見渡すと、デスクと複合機、そしてサーバーのランプが光っている。
これも全部準備してくれて、この家ではインターネットが使えなかったはずなのにできるようになっていて、在宅勤務もできるパソコンになっていて。
棚の上の父の写真の横には、隼人が持ってきた花がまだ綺麗に咲いている。
私が巻き込まれないように実家に帰れって?
ここがすぐにバレないように、移転先を書くなって言ったの?
メールを受信した音が聞こえた遥は、パソコンの前へ。
M-ADCの会見を見た町工場から、契約更新がまだ間に合うかの問い合わせだ。
M-ADCと契約すると言っていたのに、手のひらを反すようにうちと契約更新したいと。
社員が不祥事を起こした会社よりもツクモの方がマシという判断なのかもしれない。
M-ADCもツクモの技術力は褒めていたし、問題ないだろうと。
遥はメールを佐久間に転送した。
契約更新は嬉しいけれど、内心は複雑な気分だ。
時計のカチカチという音が響き、この家がこんなに静かだったのかと今さら思い知らされる。
「……静かね」
遥はパソコンを閉じながら立ち上がると、大きく伸びをした。
◇
隼人のマンションの前には数人の報道関係者が群がっていた。
今回は社員の不祥事であり会社の不正ではないことや、迅速な会見と細かい資料のおかげで、SNSでも会社を擁護する声の方が多かった。
といっても、しばらくは外出できそうにないけれど。
セキュリティが高いマンションのおかげで報道陣と会うこともなく、秘書の田沼が送迎する車からそのままマンションの部屋にたどり着いた隼人は、ここにいるはずがない人物に驚いた。
「あ、おかえり」
「……包丁は苦手じゃなかったか?」
どこからツッコんだらよいのか困った隼人は、とりあえず包丁を持ったまま歩くと危ないぞと注意することしかできなかった。
「私も在宅勤務するし、出ないから大丈夫」
「ハルカちゃん、あの人こうなることを予想してこのネットワーク環境を作ったのかな」
「どういうこと?」
富樫の専門用語はさっぱりわからなかったが、あの短期間で準備できる中では一番安価で一番安全性が高い方法で在宅勤務可能な状態にされていたと富樫は説明する。
「富樫が天才すぎてよくわからなかったけれど、すごいってことだけわかったわ」
「なんもわかってねぇじゃん」
俺もわからなかったけれどと笑いながら、佐久間はパソコンを鞄の中に。
富樫も斜めがけ鞄にノートパソコンをしまうと、二人は玄関で靴を履いた。
「気をつけろよ」
「雨戸も閉めた方がいいよ」
「うん、そうする」
また10月にねと手を振り、遥は佐久間と富樫を見送る。
玄関の鍵を内側から閉めた遥は、すぐに雨戸を閉めた。
あぁ、そうだ。このスッと閉まる雨戸は隼人が直してくれたんだった。
部屋を見渡すと、デスクと複合機、そしてサーバーのランプが光っている。
これも全部準備してくれて、この家ではインターネットが使えなかったはずなのにできるようになっていて、在宅勤務もできるパソコンになっていて。
棚の上の父の写真の横には、隼人が持ってきた花がまだ綺麗に咲いている。
私が巻き込まれないように実家に帰れって?
ここがすぐにバレないように、移転先を書くなって言ったの?
メールを受信した音が聞こえた遥は、パソコンの前へ。
M-ADCの会見を見た町工場から、契約更新がまだ間に合うかの問い合わせだ。
M-ADCと契約すると言っていたのに、手のひらを反すようにうちと契約更新したいと。
社員が不祥事を起こした会社よりもツクモの方がマシという判断なのかもしれない。
M-ADCもツクモの技術力は褒めていたし、問題ないだろうと。
遥はメールを佐久間に転送した。
契約更新は嬉しいけれど、内心は複雑な気分だ。
時計のカチカチという音が響き、この家がこんなに静かだったのかと今さら思い知らされる。
「……静かね」
遥はパソコンを閉じながら立ち上がると、大きく伸びをした。
◇
隼人のマンションの前には数人の報道関係者が群がっていた。
今回は社員の不祥事であり会社の不正ではないことや、迅速な会見と細かい資料のおかげで、SNSでも会社を擁護する声の方が多かった。
といっても、しばらくは外出できそうにないけれど。
セキュリティが高いマンションのおかげで報道陣と会うこともなく、秘書の田沼が送迎する車からそのままマンションの部屋にたどり着いた隼人は、ここにいるはずがない人物に驚いた。
「あ、おかえり」
「……包丁は苦手じゃなかったか?」
どこからツッコんだらよいのか困った隼人は、とりあえず包丁を持ったまま歩くと危ないぞと注意することしかできなかった。