幼馴染のち恋模様

_____1週間後。

あの日以来、梗介の仕事が忙しくなりなかなか会えずにいた。連絡は取り合っているが、体調が心配だ。
今日は雨も降っていて余計気持ちが曇る。

あの日の翌日は梗介に職場の前まで送ってもらい別れた。ものすごくよく眠れたらしい梗介は起きてからも、着替えた後も、家を出る時も、車を降りる前も、キスの嵐。海外では挨拶がわりにキスをするくらいだから、変なことではないのかもしれないが・・・私は日本生まれ日本育ちです。慣れるまでに時間がかかりそうだ・・・。

「おはよう、柚月さん。プロジェクトの方は順調?」
「おはようございます、部長。今のところは問題なく進んでいます」

取材のために同行した霜月駅横のテナント視察でイメージがだいぶ膨らんだ。

「駅前がどう変わるのか楽しみだね〜」
「そうですね。そのためにできることは全部やり尽くします!」
「うんうん、その意気だね!何かあればなんでも協力するから声かけてね」
「ありがとうございます」

部長の心強い言葉にも励まされる。絶対成功させなきゃ!

次の取材日は再来週なので、この前の取材内容をまとめることにする。

ブーッ

デスクに置いてあるスマホが震えた。開くと梗介からのメッセージ。

『午後に駅横のテナント視察に行くんだけど、葵も来る?』

雨模様とは裏腹に葵の心に陽が差す。我ながら単純である・・・。

『行きたい。14時には出られると思う。』

すぐに返信を打ち、部長に午後は外出することを伝える。
取材に集中するために終わらせられる仕事を片付けていく。

12時半を過ぎた頃、お昼をかき込む。霜月駅までは2駅なので13時半には出たい。食べ終わると歯を磨いて身だしなみを整える。
会社を出て駅に向かう途中で梗介から連絡が来た。

『先着いたから中入ってるな』

電車に乗りながら早く着かないかな・・・と考える。
だめよ葵!これは仕事!公私混同ダメ絶対!
自分に叱咤して切り替える。霜月駅についてから歩調が速まったのは内緒だ。


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