クリスマスに3つの奇跡を〜サンタはみんなの所にやって来る〜
最初の2ヶ月は順調だった…



毎週なんてもちろん無理だけど、清太は休みになると東京に来てくれたし、私も旅行気分で清太に会いに行って、こんな生活も悪くないとすら思った…



当たり前のように会えていた頃とは違うけど、時々会えるというシチュエーションも会えない時間が愛を育てるという何かの歌みたいに、逆に燃えていいのではないかとすら思え、それはそれで順調かのように感じられた…



でも…



それは最初だけで、お互いの時間が合わなくなり、会う頻度も月に2回のペースから、月に一回会うことがやっとになった…



付き合って5周年を迎えようとしている私達だけど、流石に月一のペースで会えるか?会えないか?というこの状況に私は危機感を感じていた…



クリスマスイブの今日と言う日は、私達の5周年を祝う日でもある…



私は絶対にクリスマスイブだけは一緒に過ごしたかった…



毎年この日だけは欠かさず一緒に過ごせると思っていたのに、遂に5回目にして一緒に過ごすことも叶わなくなったのだ…



もう私達ここら辺が潮時なのかな…



確かに会う頻度は減ったけど、この日だけは一緒に過ごせると信じていた…



清太に告白されて、付き合い始めたばかりの頃を思い出す…



「中川美雲《なかがわみくも》さん、僕と付き合ってください」



清太は凄く緊張していたけど、手に汗握りながらしっかりとした声で告白してくれた…


「は、はい…宜しくお願いします」



私も清太が好きだったから、嬉しく嬉しくて跳びあがるほど嬉しかった…



だけど…



お互いを意識し合って、惹かれ合って付き合い始めた私達だけど、最初は何となくぎこちなくて、キスは愚か中々手を繋ぐ事も出来なかった…



もう20歳の大学生なのにと意外に思われるかもしれないけど、手を繋ぐまでに1ヶ月、キスするまでに3ヶ月、そして付き合って一年で私達は初めてようやく結ばれた…



清太は凄く誠実なタイプで、付き合って半年経っても私にキス以上の事は求めてこない…



美雲を大事にしたいから



それが清太のいつもの口癖だった…



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