【中編】ベストフレンド
4.砕けた仮面 Side亜里沙
目覚めた時、拓巳の腕が私に絡みついていた。
決して離さないという様にしっかりと…
卵を温めるようにふんわりと…
大切なものを抱くように愛しげに…
幸せだと思った。
だけど…拓巳は私を愛しているわけじゃない。
陽歌を想う気持ちに潰れそうな心を支えたかっただけ。
一夜だけの事…
それを望んだのは私…
それなのに目が覚めた拓巳と視線を交わすのが怖かった。
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4.砕けた仮面 Side亜里沙