腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「そうだったんだな。てっきり仲が良いから深い話もしてるのかと思ったよ」

漫画家として成長することに必死だったので、それ以外の話は特になく。
私達にとって深い話は漫画家としての話が主だった。

「私達にとって深い話が仕事だったから。それ以上に深い話ができないほど仕事のことに夢中で。今更になって話してないことがあったなって気づかされた感じなんだよね」

人それぞれ関係性によって何が大事な話なのかは変わってくる。桜子さんとは友達以前に仕事仲間なので、どうしても仕事の話がメインになってしまう。
これがプライベートの友達だったら話は別だ。共通の趣味があれば趣味の話をしたり。お互いに近況報告をしたり。
桜子さんとは少し特別な形で友情が育まれた。私にとっては特別な友人だ。
だからこそ、これから桜子さんのことをもっと知っていけばいい。ただそれだけだ。

「なるほどな。仲が良いからこそ話した気になってて。実は話してなかったりすることってあるよな」

「そうそう。そんな感じです。これからゆっくり色々話せたらいいなって思ってる」

「そうだな。そうなるといいな」

そうなることを信じて、これからも桜子さんとはお仕事以外でも仲良くしていきたい。
桜子さんとのこの先のことはさておき、美咲くんに書店の仕事を辞めたいことを伝えられてよかった。これで心置きなく辞めることを店長に伝えられる。
思ったよりも短かった。もう少し長く書店で勤めると思っていた。
それぐらい漫画家の世界は、厳しい世界だと思っていたので、自分でもまさかこんなにも早く辞める決意をするなんて思ってもみなかった。
短い時間だったけど、働かせてもらえて嬉しかった。
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