妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜

第27話 私の幸せ

 アダン様の口から声が漏れる。私は彼の称賛の声に目を丸くした。正直私には何が起こったか、分からなかったからだ。

「あの、アダン様……」

 首を傾げた私を見て、アダン様はどうやらなぜ褒められたのか分からないことを察してくれたらしい。

「いや、すまない。言葉足らずだったな……魔道具というのは、多少ではあるが込める者の魔力によって使用に差が出る」

 彼の言葉に私は再度首を横に倒しそうになるが、どうやらまだ説明は続くようだ。私は静かに彼の話を待った。

「魔術を使えない者の中にも、実は魔道具と魔力の親和性の高い者が中にはいる。そしてその者が魔道具に魔力を込めると、このような防御壁がより強固になったり、長く保つことができたり……と、魔道具の効果が普段の倍以上になることもある」
「もしかして――」

 私がアダン様の言葉に思わず口を両手で押さえる。そんな私を見て、アダン様は首を縦に振った。

「ああ。君はどうやら魔道具と魔力の相性がとても良いようだ。私の全力の攻撃を受けても消えない防御壁は初めてだ」

 話を聞くに、この魔道具は警備隊の訓練の際に使われるそうだ。魔術が外れても防御壁を張っておくことで、外に被害が出ないようにしているらしい。
 アダン様もたまに訓練に参加しているようではあるが、本気で魔術を打つことはない。現在の防御壁はアダン様の全力の攻撃を受けてしまうと一度で消えてしまうからだ。

 私は彼の話を呆然としながら聞いていた。そしてふと彼と目が合う。するとアダン様は真剣な表情で私に問いかけた。

「君に魔道具の魔力込めをお願いしたい」
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