【完】君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
 麗奈の微笑みの底に、確かな反撃の意志が宿る。彼女は奏汰を射抜くような視線で見据えた。

「この件に関しては違法性は認められず、事業自体は黒字で継続中。むしろ話題性で予約は伸びましたのよ。リスクを恐れていては前へ進めない。炎上を管理し、利益に変える。それが経営ですわ。氷室は潔癖でみすみすチャンスを取り逃がすおつもり?」
「炎上を管理、ですか」

 奏汰は静かに息を吐いた。

「今回の案件が継続しているのは事実でしょう。しかし、行政指導が入った事実は消えない。次の公募で採択される確率は、絶望的です。一度でもお上に疑われた企業に、長期の公共案件は回ってこない」

 奏汰の淡々とした指摘に、麗奈の眉がわずかに動く。

「数字は一時的なもの。時東の財務体力ならかすり傷ですらありませんわ」
「体力ではなく、信頼のコストの問題です。炎上を利用するなんてやり方、長期的に見ればマイナスにしかなりません。氷室も高坂も、積み上げてきた信用を切り売りするような真似はできないはずだ」

 奏汰の言葉を受け、再び沈黙が落ちていく。晴菜はピンと張り詰めた空気がさらに重くなっていくような錯覚を覚えた。

「婚姻を担保にする提携は、相手の信用に傷が付いた際に共倒れになるということとイコールです」
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