放課後の君〜超短編〜
放課後の教室。窓から差し込む夕陽が、机の上にオレンジ色の影を落としていた。
私はノートに落書きをしながら、隣の席の彼の横顔をこっそり見つめていた。
彼は、クラスの人気者。明るくて、誰にでも優しくて、でもどこか不器用なところがある。
そんな彼に、私はずっと片想いをしている。「ねぇ、今日も部活?」
勇気を出して声をかけると、彼は少し驚いたように私を見て、すぐに優しく笑った。
「うん、でもその前に宿題終わらせないと。手伝ってくれる?」
彼がノートを差し出してくる。
「え、私でいいの?」
「だって、君の字、きれいだからさ」
不意に褒められて、心臓がドキンと跳ねた。二人で肩を並べてノートを広げる。
彼の手が、私の手のすぐそばにある。
ほんの少し触れそうで、でも触れない距離。
その距離が、もどかしくて、愛おしい。
「ねぇ、前から思ってたんだけどさ」
彼が急に真剣な顔になる。
「君といると、なんか落ち着くんだよね」
「え?」
「他の誰といるより、君といる時間が一番好きかも」
彼の言葉に、胸がぎゅっと締めつけられる。
顔が熱くなって、うまく言葉が出てこない。
「……私も、君といると楽しいよ」
やっとの思いでそう答えると、彼は少し照れたように笑った。
「じゃあ、これからも一緒にいてくれる?」
「うん……」
その瞬間、彼の手がそっと私の手に重なった。窓の外では、夕陽がゆっくりと沈んでいく。
教室には、二人だけの静かな時間が流れていた。
この手のぬくもりを、ずっと忘れたくない――
そう思いながら、私はそっと彼の手を握り返した。
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