前世王子アイドルグループ~僕たちは君の一番星になりたい☆。.:*・゜
 いつものようにつられて、みずっきくんも泣き出しそうになっている。

「いつきん、受け入れてもらえて良かったね。正直、不安だったでしょ?」
「うん。きちんとみんなに受け入れてもらえるのか、すっごく不安で、最近は考えすぎてあんまり眠れなかったです」

「でも、大丈夫だよ! 今、この会場にいるみんなは、こーんなに優しいから。ねっ!」

 みずっきくんが客席に同意を求めると「いつきん大丈夫だよ~!」とあちこちから、優しい声が聞こえてきた。

 そしてなんと、お客さん全員のペンライトの色が全てグリーンカラーに。会場が今、僕のオーラカラーに染まった。その光景に感動した!

「プリレボのみんなも、プリレボを応援してる人も。本当に優しい……あぁ、今このステージに立てているの嬉しい、夢みたい……」

 会場に埋め尽くされているお客さんを端から端まで隅々見た。さっきまで怖かった視線はプリレボのメンバーたちのお陰で、そして優しく見守ってくれているお客さんたちのお陰で、居心地のよい視線へと変わってきた。

「夢じゃないし。今日だけじゃなくて、これからはずっといつきんは僕たちみたいに、みんなの輝く星になるんだよ!」
「えっ、ずっと?」
「ん? 何? みずっきは違うの?」

 レッスンの時ほどではないけれど、そたくんがチクリとした表情でみずっきくんを見た。

「い、いいえ。そ、そたくんの言う通り、です」
「ちょっと!? みずっき怖がってる!」
「しーおん、なんてこと言うの? みずっき、全然怖がってないよね? みずっきはすぐに泣いちゃうから、いつもすごく優しくしてるもん。ね、みずっき?」
「えっ、えっと……」

 全体に笑いが巻き起こった。

 しばらく舞台上で会話をした後は、それぞれの立ち位置につく。大きなスクリーンはステージの所に三つある。両端には今のリアルな僕たちの姿が。そして、MVのライブ用に編集されたダイジェスト版がステージの中心にある、大きなスクリーンに映し出された。

 生まれ変わったプリレボメンバーが、前世の僕たちに見守られながら山を登りきるMV。

「ラストの曲は、今回初めてみんなの前で歌います。最近、すごく噂になったあの歌です!」

 しーおんくんが言うと、何の曲か分かってくれていたようで、お客さんたちから歓声が沸き起こった。

「みんな、映像を見てくれたのかな?」

「見たよー!」
「すごくよかったよー!」

 反応がいい!
 直接嬉しい感想を聞けるの、嬉しいな!!!

「観てくれてありがとうございます。ありがたいことに、ネットで話題になってすぐにトレンド入りして、一気に有名になりました。世に広げてくれた方、観てくれた方々のお陰です。本当に、ありがとうございます! この歌は、僕、星野紫音が心を込めて作り、ミュージックビデオも演出しました」

「このMV、ロケ行くの突然だったよね。たしか、僕といつきんが一緒に夏休みの宿題やってる時だったかな? 突然しーおんくんが部屋に入ってきて、明日から放送部の撮影旅行に行くよって」

 僕もその時の様子を鮮明に思い出していた。ここでは秘密で言えないけれど、におわせ旅行計画の内容に驚いた。驚いたけれど、純粋に憧れのプリレボメンバーと行ける旅行が楽しみだなぁって気持ちになっていたな。

「いつも突然思いついちゃうんだよね~」
「うん、知ってる。でもしーおんくんのそんなところも大好きだよ!」
「みずっき、ありがとう~。っていうか、みんなの、特にいつきんの頑張っている姿をみていたら頭の中に急に浮かんできたんだよね。自分ももっと頑張りたい。なんか、前世に頼らずに道を作って前に進んでいきたいなぁみたいな?」
「ぼ、僕の姿を見て……」
「そうだよ!」
「頑張ってよかった~!!」
「あっ、いつきん、泣いちゃう! これから歌うのに!」

 みずっきくんの言葉を最後に、スクリーンに流れていたMVのダイジェスト版が終わった。

「それでは、ラストの曲を聞いてください!『星たちは生まれ変わる』」

 みんなで声を合わせてタイトルを告げると、明かりが消えた。

そして前奏が流れ始めるとステージの中心にいる僕にだけスポットライトが当たる。

~♪

 迷い続けていた
 ここに来てもいいのか
 君がいいよと言ってくれるのなら
 僕はずっとここにいるよ

 今度は君を守りたい~



 ステージ全体に明かりがつくと、僕はお客さんに背中を向け、ステージの奥に待機して横一列に並んでいたプリレボに向けて歩いた。

 そして、僕は手を差し伸べてくれたそたくんの手を掴んだ。

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