だからアナタに殺されたい。
16.アナタを縛る契約




「…エ、エレノア」

「ん、ロ、ゼル…」



甘い吐息と甘い快楽。
甘い夢にゆっくりと溺れていく。

このまま、死んでしまってもいい。
…本当に?

瞳を閉じて、全てでローゼルを感じていた私だったが、その中で少しずつ、ゆっくりと理性が働き始めた。

このまま欲望に身を任せ、血を吸い続ければ、ローゼルが死んでしまう。

私は彼の死を望んでいない。

気がつけば、私はローゼルからゆっくりと口を離していた。



「…やめちゃうんですか?」



離れた私を見て、名残惜しそうにローゼルがこちらに視線を向ける。
そんなローゼルに、私は気恥ずかしそうに小さく笑った。



「…ありがとう、ローゼル。もう大丈夫だから」

「本当ですか?」

「本当よ」



まだして欲しそうなローゼルの瞳に、困ったように眉を下げる。
それからじんわりと暖かい熱が胸いっぱいに広がった。

これは彼を捕食対象として求めるあの熱とは違う。
彼を愛おしいと思う熱だ。



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