純情*ライアー
(あ、目が合った。)
そう思った時には葵くんはふい、とまた前に向き直って目の前を過ぎ去っていく。
「今、葵こっち見なかった!?」
「見た見たっ!目合ったかも!♡」
後ろではしゃぐ黄色い声にハッとする。
――そうだよね、あの一瞬で私を見つけるわけがない。
とっくにゴールしていた葵くん達が、息を切らせながら楽しそうに仲間達に囲まれている。
アイコンタクトで指示するのが習慣になってるからか、変な勘違いをしてしまった。