純情*ライアー
「優里さんは?ちゃんと付き合った人とかいるの?」
――そりゃ、聞き返すよね。
さらっと答えようと思ったのに、どうしても心が重苦しくなる。
過去の痛みが再生されて、すぐには声にできなくて意識的に息を吸う。
「いたよ。……1人だけ。」
「そ、……そうなんだ。」
葵くんがすい、と私から目を逸らす。
それはどういう心境なの?
思ってる間にチャイムが鳴って、微妙な沈黙を抱えたまま2人で教室に戻った。