次は、誰にしようかな?

行方不明

「転校生を紹介するぞ。西村天都だ。じゃ、自己紹介よろしく。」
田村先生に背中を押され、教卓に腰をぶつけそうになりながらクラスメイトの方を見る。
1200人もいる学校なので、中学二年生だけでも1クラスの人数が、40人。それが、10クラスある。
こんなに大勢の前で自己紹介何て怖すぎるが、妹のためだ…。
「に、西村天都です。家族の都合で、引っ越しました。よろしくお願いします。」
お辞儀をすると、田村先生が矢次に質問をしてきた。
「西村の好きな食べ物は何だ?」
「あ、え、えっと…。ラ、ラーメンです…。」
「西村の好きなスポーツは何だ?」
「あ、あの…。ないです。」
「西村の———。」
そこで、やっと綺羅が助け船を出してくれた。
「先生。天都君が困っているので、やめてあげてください。」
すると、田村先生がニヤニヤしながら僕の方を見つけた。
何だよ…と嫌な気になると、急に大声を出した。
「よし!じゃあ、席替えするぞ!」
クラスメイトからは、「なんでー!」「昨日したばっかりだろ?」「やったー!」などの声が発されている。
僕は困った顔で先生を見ると、笑顔を返された。
「大丈夫だ!先生が、白石(綺羅)の隣にしてやるから。」
と言い、満足げにうなずいた。
もしかして、先生。ボクと綺羅が付き合っているとでも勘違いしたのか⁉
完全なる勘違いだと言いたいが、言えるはずがなかった。
「じゃあ、どうやって決めようか。じゃあ、先生が言っていくから座っていって。」
先生が、僕がまだ覚えてもいない名前の羅列を口にする。
「三浦、田中、西村、白石、加藤、谷崎…。」
全員言い終わると、急にメガネの男子が立ちあがった。
「先生、俺、黒板が見えないので、西村と席を交換してほしいです。」
名札には、三浦拓と書かれていた。
三浦は、僕の目を睨んでいた。理由は僕にも分からない。
「じゃあ、三浦と田中のペアと、西村、白石ペアの場所をチェンジしよう。これでいいだろう?」
三浦はそれでも納得していない様子だった。
「なんで、俺は田中とペアなんだよ。白石とペアになったことないから、ならせてくれよ。」
急に名指しになり、綺羅が少し不安そうに僕を見つめた。
僕は、どうすればいいのか…と視線を泳がせていると、目の前に座っていた橘という女子が立ちあがった。
「綺羅のことが好きだとしても、拓は目がいいでしょう?だから、もうこの席でいいじゃない。」
三浦は、自分の気持ちをみんなに知られ、恥ずかしいのか、座ってうつむいてしまった。
この短時間で分かったのは、綺羅がこのクラスのトップだという事だけだ。
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