ながされて、絆されて、ふりむいて
「……こんな関係だよ?凪とわたし」
「……じゃあ、付き合う?」
当たり前みたいに、わたしの頭の下に腕が回っていて、髪をさらりととかすようにして。
至近距離で視線同士が結びつく。薄く開かれた双眸にはやさしさとあまさが共存していて、わたしだけに向けてよって本気でおもう。
この言葉が、単なる責任感や情でなく、恋人に向けるようなものであればどんなにか、と胸を突き刺す。じわり、ちくり、いたむ。
「……付き合わないよ、勘違いしないで。凪はわたしの、たくさんいるうちのひとり」
「だよな。ごめん、変なこと言ったね」
「うん、だから、……凪からキス、してよ」
「ん、仰せのままに」
そのままやさしく、髪をかき分けるように後頭部に入り込む。引き寄せられて柔く重なる唇がつめたい。どう考えたって寒いのはわたしじゃなく凪のほうだ。かかる布団も、わたしのほうばかり多いのだから。