悪女と罵られたので退場させていただきます!
8.公爵令嬢1
「ごきげんよう、マデリーン様」
「ごきげんよう、ブランシュ様。来てくださって嬉しいですわ」
「お招きありがとうございます」
「どうぞこちらへ。お茶とお菓子を用意しておりますので」
アクア王国の筆頭公爵令嬢マデリーン様。
海の色と同じ髪と目を持つ、美しい少女は「海の精霊」と呼んでも過言ではないほどに神秘的な雰囲気を醸し出している方です。ええ、王太子と側妃の代わりに私を接待するために王都に呼ばれた公爵令嬢。王太子殿下の元婚約者。その人です。
「本日は私が用意した茶葉を使っておりますのよ。お口に合うといいのですけれど……」
「まあ、楽しみですわね」
近づきにくい雰囲気のマデリーン様ですが、実際に話すと気さくで親しみやすい方でした。
知識も豊富で、様々な話題を提供してくれます。おかげで私は退屈することなく過ごすことができました。
それにしても王太子殿下は何故彼女ではなくミレイ側妃に心惹かれたのでしょう?私が殿下なら迷うことなくマデリーン様を選びますのに。
会話を楽しんでいたマデリーン様はふいに表情を引き締めると、私の顔をじっと見つめてきました。
「……どうかなさいまして?」
「……ブランシュ様、申し訳ございません」
突如、謝罪の言葉を口にするマデリーン様に首を傾げていると、彼女は静かに語り始めました。
「また、ミレイ側妃様から無礼な振る舞いがあったと伺いまして……。大変失礼致しました」
ああ、そういうことですか。
いえいえ、気にしないでください。あれくらいのことでしたら、別になんとも思っていませんので。
「私は気にしていませんから大丈夫ですわ。それに、マデリーン様がお謝りになることではありませんもの」
「いいえ!側妃様の態度は目に余ります。国賓であるブランシュ様に対するあの言動……許される範囲を遥かに超えています。ブランシュ様のお優しさのお陰で帝国側からお咎めはありませんでしたが……本来なら戦争に発展していてもおかしくはないほどです」
「マデリーン様、私は帝国貴族とは申せ、一介の貴族令嬢に過ぎません」
「皇位継承権を有する公爵家の令嬢でもありますわ。それは即ち……」
「私は父に言われて友好国を巡っているだけですわ」
「……寛大な御配慮に感謝致します」
そう言って頭を下げるマデリーン様は状況をよく理解なさっているようです。恐らく、王宮の者達よりもずっと……。
私とミレイ側妃の件といい、情報収集能力は長けていらっしゃるようですし。この分では帝国の思惑もある程度は想像できているのでしょう。
「王太子殿下は王族としての自覚が無さすぎます。あれで次期国王とは……些か問題、と考えている方々は多いはずですわ」
私の言葉に、もはやどうすることもできないといった表情をなさるマデリーン様には気の毒ですが、あの王太子はダメですわ。
自らの言動によって孤立しているミレイ側妃。
それを分かっていない王太子。
マデリーン様が心を痛める価値もない方々です。
「ごきげんよう、ブランシュ様。来てくださって嬉しいですわ」
「お招きありがとうございます」
「どうぞこちらへ。お茶とお菓子を用意しておりますので」
アクア王国の筆頭公爵令嬢マデリーン様。
海の色と同じ髪と目を持つ、美しい少女は「海の精霊」と呼んでも過言ではないほどに神秘的な雰囲気を醸し出している方です。ええ、王太子と側妃の代わりに私を接待するために王都に呼ばれた公爵令嬢。王太子殿下の元婚約者。その人です。
「本日は私が用意した茶葉を使っておりますのよ。お口に合うといいのですけれど……」
「まあ、楽しみですわね」
近づきにくい雰囲気のマデリーン様ですが、実際に話すと気さくで親しみやすい方でした。
知識も豊富で、様々な話題を提供してくれます。おかげで私は退屈することなく過ごすことができました。
それにしても王太子殿下は何故彼女ではなくミレイ側妃に心惹かれたのでしょう?私が殿下なら迷うことなくマデリーン様を選びますのに。
会話を楽しんでいたマデリーン様はふいに表情を引き締めると、私の顔をじっと見つめてきました。
「……どうかなさいまして?」
「……ブランシュ様、申し訳ございません」
突如、謝罪の言葉を口にするマデリーン様に首を傾げていると、彼女は静かに語り始めました。
「また、ミレイ側妃様から無礼な振る舞いがあったと伺いまして……。大変失礼致しました」
ああ、そういうことですか。
いえいえ、気にしないでください。あれくらいのことでしたら、別になんとも思っていませんので。
「私は気にしていませんから大丈夫ですわ。それに、マデリーン様がお謝りになることではありませんもの」
「いいえ!側妃様の態度は目に余ります。国賓であるブランシュ様に対するあの言動……許される範囲を遥かに超えています。ブランシュ様のお優しさのお陰で帝国側からお咎めはありませんでしたが……本来なら戦争に発展していてもおかしくはないほどです」
「マデリーン様、私は帝国貴族とは申せ、一介の貴族令嬢に過ぎません」
「皇位継承権を有する公爵家の令嬢でもありますわ。それは即ち……」
「私は父に言われて友好国を巡っているだけですわ」
「……寛大な御配慮に感謝致します」
そう言って頭を下げるマデリーン様は状況をよく理解なさっているようです。恐らく、王宮の者達よりもずっと……。
私とミレイ側妃の件といい、情報収集能力は長けていらっしゃるようですし。この分では帝国の思惑もある程度は想像できているのでしょう。
「王太子殿下は王族としての自覚が無さすぎます。あれで次期国王とは……些か問題、と考えている方々は多いはずですわ」
私の言葉に、もはやどうすることもできないといった表情をなさるマデリーン様には気の毒ですが、あの王太子はダメですわ。
自らの言動によって孤立しているミレイ側妃。
それを分かっていない王太子。
マデリーン様が心を痛める価値もない方々です。