総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ



叶兎くんの前髪の隙間から覗く睫毛が微かに震えて。



「......ん…」



薄く目が開いた。

まだ焦点が合っていない赤い瞳がぼんやりと私を映す。



「......胡桃?」



寝起きの掠れた声と共に無防備に手が伸びてきて、私の服の袖を掴まれる。


…寝起きの叶兎くん、かわいい。



「お誕生日おめでとう、叶兎くん。」



顔を覗き込んで、精一杯の笑顔で伝えた。


世界で一番、最初のおめでとう。



「……え」



叶兎くんは一瞬、完全にフリーズした。


ぱちぱちと瞬きを繰り返して、目の前にいる私と、自分の置かれた状況をゆっくりと理解していく。



それから勢いよく起き上がったかと思うと、私を強く抱きしめた。

そのまま叶兎くんから深いため息が漏れる。



「………無理、ほんと、好き。…俺が起きた瞬間に言うとかずるすぎるんだけど」

「だって、私が1番に言いたかったんだもん」



腕の中の温もりを感じながら答えると、叶兎くんは少しだけ体を離して私の目を見つめた。



「…ふっ、ありがと」



叶兎くんはそう言って、優しく私の唇にキスを落とす。



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