TIME CRISIS
「あははっ」
「マジうぜぇんだけど」
「それな、調子乗ってんじゃねぇよ」

夏が嫌いだった。
蝉がけたたましく鳴き、汗が制服に滲み、燃えるような日差しは日焼け止めを塗らなくてはならない。

「なぁ、未来。こいつこの後どーするよ」

そして何より嫌いなのは

「あぁ、使ってねぇ倉庫にでも入れとけよ」

これから来る退屈な「夏休み」と言う名の
なんの楽しみもない日常だ。

「い、嫌だ...未来君..お願い、助けて..」

ドガッ

鈍い音に混じる小さな嗚咽

「うるせぇんだよ、なんで僕がお前みたいな奴を助けなきゃいけねぇんだ」

人間を殴った後の複数の笑い声に興が湧く

「クリーンヒットだな」
「すっげえ、蹲ってるぜ」
「未来やるぅ」

こいつを殴る為だけに日陰から顔を出した僕は優越感に浸りながら定位置の花壇へ座り直す

旧校舎には人が滅多に来ない
この古い木造の校舎にはよくある心霊話が蔓延っており、生徒だけでなく先生でさえも近づくことはあまりない

「誰か物置入れとけよな。僕は先に教室戻るから。」

誰でもいい。なんでもいい。
この退屈な日常を変えられるなら何だってくれてやる。
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